財)石の博物館(R)

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奇石の歴史

「奇石」とは、江戸時代に奇妙な石や変わった石のことを奇石と呼んでいました。例えば、下の写真のように、普通の石とはちょっと違った石のことです。下の左の写真はお饅頭か団子に見えませんか?下の右の写真は原石とその石を切断した断面なのですが、何か花びらの模様に似ていませんか?

饅頭石 桜石

さて、江戸時代の中期頃(1751年頃〜)になると石に興味を持った人たちが奇石会(当初は物産会だったが後に分離独立)という交流会を開きました。そこでは、不思議で奇妙に感じる石が持ち寄られて展覧され、交換などがされていたようです。当館の名前はこの奇石会からとって奇石博物館となりました。

奇石会を催した人物に木内石亭(1724〜1808)という人がいました。彼は近江国(今の滋賀県)で生まれ、11才の頃から石を集め85才で亡くなるまでの約70年間、日本各地から様々な石を集めました。その総数は約2000点にもなったそうです。今のように電車や自動車などがない時代に徒歩や馬などで日本各地を旅したのですから相当苦労したことでしょう。(私など歩いて5分のコンビニにさえ自動車を使うのですからお恥ずかしいかぎりです・・・)

彼はこれらの石を集大成した日本で最初の石の専門書「雲根志」を著しています。(下記写真参照)この「雲根志」には饅頭石や天狗の爪石,石燕などを始めとして、いわれの面白い石や産出状況などを紹介し、「食べ物にちなむ奇石」「動物にちなむ奇石」などのように石の分類までされています。現在のような鉱物学や岩石学の分類とは違い、見た目の視点による分類がされていますが、これは大変素朴できっと誰もが共感できる見方であったと思われます。

雲根志


当館では、この奇石の魅力を糸口にして、とっつきにくい岩石や鉱物,地学のことを見直してもらいたく1971年に日本で最初の石の博物館として開館いたしました。

当館にはここにご紹介しました様な「えっホントに!」と思われる変わった石が沢山あります。ご紹介しました石から何となく奇石の事がお分かり頂けたと思います。つまり当館で奇石というのは素人の方が見て不思議さや感動を感じさせてくれる石達の事なのです。鉱物学などの専門的な分類(元素鉱物や珪酸塩鉱物などの分類方法)と異なり見た感じや石の性質をそのままに表現した石の見方です。
当館の展示の仕方は、上記の「雲根志」を基にした「見た目の視点による分類」を中心に、「食べ物に因む奇石」や「植物に因む奇石」などと分けて展示しています。詳しくはこちらの常設展示のページをご覧ください。その数おおよそ1600点。収蔵品は1万2千点以上ありますので展示はほんの一部です。展示しきれない石は毎月テーマを変えて順次出しています。


※ 「雲根志」の雲根とは、中国の古語で「石」を意味します。湿気を含んだ空気が冷たい石に触れることにより水滴となることから、石は雲の基と考えられていました。つまり、石が雲の根(雲根)と考えられていたからです。
ちなみに、雲母という鉱物も雲を産む母体だと考えられていたので「雲母」と呼ばれるようになりました。

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